液状化判定
液状化とは
液状化とは地震の際に地面が液体状になる現象で、建築物が傾いたり、沈下するなどの被害が起こります。 東日本大震災では、多くの建物が傾き、道路が歪み、マンホールが浮き上がるなどの液状化被害が発生しました。
液状化の原因
液状化が発生する可能性が高い場所は、地下水位が高く、粒子の近い砂からなる地盤で、埋め立て地や干拓地、河口があった場所などです。
液状化の仕組み
- 1.通常時、砂と砂の隙間に水が含まれています。
- 2.地震が起きると、砂と砂が離れ、水に浮いた状態になります。
- 3.その後、砂は下に沈み(地面が沈む)、水が上に上がります。(地面から水が吹き出す)
液状化であると判定する(概略判定→液状化判定)
液状化の恐れがあるかは、概略判定によって確認することができ、液状化の恐れがあれば「液状化判定」を実施することで、被害を予測して対策に繋げます。
液状化判定の流れ : 概略判定 ➝ 液状化判定
液状化判定の必要性
液状化被害の可能性を調べるには「液状化判定」が必要です!
液状化判定の歴史は浅く、現在でも液状化判定がされずに多くの家が建てられています。液状化被害を防ぐには、まずは液状化マップなどでその地盤の液状化について可能性を確認し、住宅を建てる前に液状化判定を実施することが必要です。液状化の恐れがあると判定された場合は、液状化対策が必要となります。
国土交通省による液状化判定の必要性に関する告示
国土交通省は告示1113号第2項にて液状化判定の必要性に関して告示しています。
国土交通省 告示1113号 第2項(前略)地震時に液状化するおそれのある地盤の場合又は(三項※1)に掲げる式を用いる場合において、基礎の底部から下方二メートル以内の距離にある地盤にSWS試験の荷重が一キロニュートン以下で自沈する層が存在する場合若しくは基礎の底部から下方二メートルを超え五メートル以内の距離にある地盤にSWS試験の荷重が五〇〇ニュートン以下で自沈する層が存在する場合にあっては、建築物の自重による沈下その他の地盤の変形等を考慮して建築物又は建築物の部分に有害な損傷、変形及び沈下が生じないことを確かめなければならない。(以下略)
液状化判定の流れ
液状化判定の流れは下記です。
1.液状化マップ、地形区分による概略判定の実施
液状化判定を検討している場所に液状化の恐れがあるか液状化マップから確認します。
※千葉県液状化マップ(内閣府HP[防災担当]より)
液状化判定を検討している場所に液状化の恐れがあるか地形区分から確認します。
微地形区分 | |
---|---|
液状化の可能性:大 | 自然堤防縁辺部、比高の小さい自然堤防、蛇行洲、旧河道、旧池沼、砂泥質の河原、 砂丘末端緩斜面、人工海浜、砂丘間低地、堤間低地、埋立地、湧水地点(帯)、盛土地※ |
液状化の可能性:中 | デルタ型谷底平野、緩扇状地、自然堤防、後背低地、湿地、三角州、砂州、干拓地 |
液状化の可能性:小 | 扇状地型谷底平野、扇状地、砂礫質の河原、砂礫洲、砂丘、海浜 |
※崖・斜面に隣接した盛土地、低湿地、干拓地・谷底平野の上の盛土地を指す。これ以外の盛土地は、盛土前の地形の区分と同等に扱う。(「小規模建築物基礎設計指針」P89)
概略判定(液状化マップ・地形区分)
まずは液状化マップで、液状化判定を検討している場所に液状化の恐れがあるか確認します。
※液状化の確認は、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」が便利です。
ハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)
2.液状化判定を実施し、より詳細に液状化の危険性を調べる
該当地域に液状化の恐れがある場合、現場にて液状化判定を実施します。
- 液状化する地層が地表面から5m以内にある場合⇒液状化の危険性有
- 地下水位が地面から10m以内にある場合や、ゆるい砂の地盤の場合⇒液状化の危険性有
液状化判定の方法
サムシングなら地盤の状況に合わせて2種類の液状化判定が可能です。費用の安さから簡易判定法が一般的ですが、高精度の判定ができない点がデメリットです。液状化の恐れがある場合は、詳細液状化判定法(FL法)を推奨します。
- 詳細液状化判定法(FL法):ボーリング調査を用いた判定法で、精度が高い判定結果となります。
- 簡易液状化判定法:SWS試験を用いた判定法で、簡易的な判定結果となります。
1.詳細液状化判定法・FL法
FL法は国土交通省によってその信頼性が確認された判定方法で、ボーリング調査によって対象地盤の土質ごとに土を採取します。液状化層や非液状化層を特定することができる為、精度の高い液状化判定が可能です。サムシングは自社開発の新型ボーリング調査機を使用するため、やぐらを立てる従来型のボーリング調査より、費用と調査工数を抑えることができます。
FL>1.0⇒液状化のリスク小
FL≦1.0⇒液状化のリスク大
- メリット:高精度の液状化対策が可能
- メリット:震度5以上の大型地震に対応可能
- デメリット:費用が高い
➝サムシングでは新型ボーリング調査機によって費用を抑えることができます。
【判定方法】
1.ボーリング調査を実施します。
2.地層ごとに土を採取します。
3.液状化の可能性(FL)を算出します。
4.地表面への影響(PL・Dcy)を算出します。
2.簡易液状化判定法
簡易液状化判定法は、SWS試験を実施して簡易的に液状化を判定するため、費用が安くなりますが、高精度の判定はできません。
- メリット:手軽で費用が安い
- デメリット:高精度の液状化対策が不可
- デメリット:震度5以上の地震に対応できない
1.SWS式試験を実施します。
2.深さ5mまでの土を採取します。
3.液状化簡易判定を実施します。
非液状化層3m以上の場合⇒液状化のリスク小
液状化層3m以上の場合 ⇒液状化のリスク大
※小規模建築物基礎設計指針(日本建築学会)
地盤データを加えてさらに精度を高めた判定
サムシングの詳細液状化判定法・FL法、簡易液状化判定法は、ボーリング調査やSWS試験によるデータに、保有する膨大な地盤データを加えて、地盤を多角的に解析することができるので、精度の高い調査結果を提出することができます。
液状化対策
液状化判定を実施し、液状化の恐れが判定された場合、液状化対策工事を施工します。液状化対策工事は大きく分けて下記の2種類があります。
1.建物のみを液状化から守る液状化対策工法
費用が安いため一般的な工法です。建物の液状化被害は防げますが、土地の液状化は防げません。非液状化層まで杭等を打つことで、建物に液状化の影響が伝わらないようにします。地盤の水平抵抗力が現象するため杭の剛性を高くする必要があります。
2.土地の液状化を防ぐ液状化対策工法
土地自体の液状化を防げる液状化対策工法であるため高品質で安心ですが、費用が高くなります。工事の流れは下記です。
1.地盤を締め固める。(サンドコンパクション工法・(EX)SAVEコンポーザー工法など)
2.連続地中壁によって地盤を変形しにくくする。
3.透水性の高い材料を地中に埋め、地盤の水はけを良くする
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