セメント系固化材で固化し難い土

セメント系固化材による地盤改良で、固まらない土


セメント系固化材で地盤改良をする場合、気をつけなければならない土があります。
一つは、二次堆積の火山灰質粘性土もう一つは腐植土です。

この他にも地域によって固化し難い土は種々ありますが、セメント系固化材で固化し
難い土は酸性が強い土です。なぜなら、セメントは強アルカリの環境で固化が進むの
で、酸性を示す土は、セメントの固化を阻害するのです。


土試料

 

火山灰質粘性土

火山灰質粘性土(いわゆるロームです)は台地を形成していますが、台地端っこでは、大小のがけ崩れが生じていて、崩れたロームが堆積しています。ロームの上位には有機物を多く含む黒ボクが堆積しているので、がけ崩れによってロームと一緒にがけ下に堆積します。このようながけ崩れが生じやすい場所は、水が集まりやすい場所でもあるので、雨が降るたびに台地上面の有機物が集まって来ます。

このようにして、有機物を多く含む二次堆積した火山灰質粘性土が生まれます。
この様な土の分布範囲は比較的狭いものですし、現在では、地形が大きく変化して台地の端っこであったことに気づけない場合もあります。

このような場合は、土の色をよく見てください。敷地の中のいくつかの測点では、地表面付近に黒い土があり、その下に明るいオレンジ色のような色の土が出てくるのに、いくつかの測点では、ほとんど黒っぽい土で、少しだけ茶色が混じっているように見える場合は要注意です。土を会社に持ち帰って固化材を必要量混ぜ、固化するか確認をすることをお薦めします。

 

腐植土

もう一つの土、腐植土は、読んで字の如し。植物が腐敗したものですが、繊維質を残した状態の土です。非常に多くの間隙(すき間)を有しており、高有機質です。
この土は、普通の土が体積の1/2が間隙だとすれば、腐植土は、その二倍以上のすき間を有することが多いものです。このことは、腐植土は通常の粘性の2倍以上の水を持っていることでもあります。

セメント量に対して水量が増加すると一般に発現強度が低下します。さらに高有機質となれば、強度発現はさらに阻害されるのです。このような土は、葦が生い茂るような河川堤防の背面や谷底低地に多く見かけられます。

腐植土が堆積している場合、SWS試験結果は特徴的な数値を示します。地表面から5m程度まではWswが0.25kNかそれ以下の値が頻出する軟弱な地盤なのですが、それ以降、小さなNsw値がわずかずつ増加していく傾向を示します。

これは、ある深度を超えると孔壁が崩壊してしまい、ロッドに周面摩擦が作用することや腐植物の繊維がスクリューポイントに引っかかるためだと考えられます。
このようなSWS試験結果を目にしたら、直ちに土試料を採取し、室内で簡単な配合試験を実施することを強く勧めます。

今回は、固化不良を引き起こす土と、その出現地形や典型的なSWS試験結果について述べました。皆様方の参考になれば幸いです。

 

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